Amazonがアイロボット社を買収
8月に入り、Amazonがアイロボット社を約2300億円で買収するという発表がありました。理由は何でしょうか?このことにはどんな意味があるのでしょうか?
Amazonはどんな会社?
Amazonはご存じの通り、家にいてパソコンやスマホをクリックするだけで3億5千万以上の品目から商品を購入でき、送ってもらえる会社です。
Amazonのほとんどがオンラインストアの売上なので、消費者が次に何を買いたいかを探るのに、Amazonは購入履歴を使ってきました。
わたしたちがAmazonで買い物をすると、必ず一緒に購入されている商品が表示されて、購入履歴から次に必要または買いたくなる商品を勧めてくるというものです。
でもさらに効果的に購買傾向を知り、購買意欲を高めるためにAmazonがやっていることがあります。
一般家庭のDX化
会社では早く進んでいますが、家庭でもインターネットと家電をつないで、DX化することをAmazonもやってきました。
その一つがアマゾンエコーです。「アレクサ」でよく知られるアマゾンエコーは言葉による命令で、さまざまな家電を動かすことができます。
さらには動画や音楽の再生もしてくれます。音楽の場合、聴きたいジャンルや雰囲気を伝えるだけで応じた音楽を流してくれます。
また、kindleの本を読み上げてくれたり、声でショッピングができたり、翻訳してくれたり、スケジュール管理もしてくれます。
さらに、2018年にRingという見守りカメラの会社を買収し、スマホで家の中や訪問者をリアルタイムで監視できるというサービスも始めました。
さらには家の見守りやペットになるAstroというロボットも開発しています。
このAstroというロボットよりも優れているのがアイロボット社のルンバです。ルンバの上位機種はカメラとセンサーで動き回り、各部屋がどんな間取りであるかをしっかり覚えて、ホームマップというものを作ります。
アレクサとルンバが合体?
このルンバとアレクサが合体、さらにペット型ロボットも合体すれば、掃除もしてくれるし、家電も管理してくれるし、質問にも答えてくれ、スケジュールも管理してくれる夢のロボットになるのではないでしょうか。
そしてルンバはロボット掃除機として秀逸であるものの、他の追随メーカーより価格が高いという弱点がありました。Amazonの傘下に入ることにより、スケールメリットで値段を下げることができれば、アレクサのようにさらに各家庭に浸透できます。現にアレクサは優秀なのにかなり安い値段設定になっています。
本当にAmazonがやりたいこと
Amazonは世界最大のオンラインストアですが、さらに購買意欲を高めて何でもかんでも売りたいと考えているでしょう。
そのためには家の中の情報、家族や個人の好みの情報が必要になります。
アレクサやAmazonプライムビデオなどで、個人の好みを分析できます。
そしてルンバやRingで家の中を細かく見守ることで、やがて何が必要かをさらに細かく提案するようになるのかもしれません。日用品の管理も行って自動補充もできるようになるかもしれないのです。
どんどん便利な生活になることは間違いないですが、同時に個人の情報をどこまで出していいのかが心配にはなります。
しかし、漠然としたロボットとの共存ではなく、ルンバやアレクサなどのロボットの組み合わせで生活がどんどん改善されることは楽しみですね。